パーキンソン病の看護

パーキンソン病とはどんな疾患?

パーキンソン病の殆どは、孤発性ですが、
5〜10%は家族性です。

 

日本における有病率は人口10万人あたり100〜150人と推定され、
発症年齢は50歳代後半〜60歳代が最も多いですが、
20〜80歳代と患者さんは幅広く、高齢化に伴い患者数は増加しています。

 

40歳代以前の発症は、「若年性パーキンソン病」と総称されます。
若年性パーキンソン病は、家族性発症の頻度が高くなります。

 

また、患者さんの男女差は殆どありません。

ドパミンとパーキンソン病

パーキンソン病は、中脳にある中脳黒質緻密部のドパミン細胞が変性脱落し、
ドパミンの生産が減少したことにより、
線条体に運ばれるドパミンも減少してしまうことによって生じる病気です。

 

ドパミンが減少すれば、線条体におけるドパミンの働きは低下し、
錐体外路症状である「無動(むどう)」や「固縮(こしゅく)」、「振戦(しんせん)」
などの運動機能障害を主張とする神経変性疾患が起こります。

 

中脳黒質の変性脱落は緩やかに進行します。

 

黒質の色調は薄くなりますが、この原因は不明です。

 

また、大脳基底核の神経細胞にも変性が認めれられ、
神経細胞数の減少がみられ、
残った神経細胞内にはレヴィ小体(封入体)が出現します。

 

また、ドパミンが欠乏すると相対的にアセチルコリン系の活動が強まり、
結果的に運動の抑制が増強されます。

 

ドパミンβ水酸化酵素により、ドパミンから合成されるものが
ノルアドレナリンです。
ですから、パーキンソン病では、ノルアドレナリンが減少します。

 

神経核を「入力」、「出力」、及び「相互連絡」という情報伝達の面から分類すると、
線条体は大脳基底核の「入力部」に相当します。
そして、淡蒼球内節と黒質網様部は、「出力部」に相当します。

 

この「入力部」と「出力部」を間接的につないでいる淡蒼球外節と視床下核は、
だ大脳基底核の「介在部」です。
ですから、線条体の神経活動をドパミンに修復する黒質緻密部は、
大脳底核の「修飾部」であると考えることができます。

 

黒質からの線条体へのドパミン経路は、
大脳基底核内の直接路と関係路の二つの経路を通して運動の調節に
とても大切な役割を果たしています。

 

ドパミン細胞の変性・脱落によって、D1受容体を介する線条体細胞への興奮性入力も消失します。
すると、これらの細胞の活動性は亢進し、結果、淡蒼球外節の神経活動が減弱し、
それに続く視床下核の神経活動の亢進が起こります。
つまり、淡蒼球内節の神経活動は亢進します。

 

直接路と間接路の二つの経路のうち、いずれにおいても線条体でのドパミンの減少は、
淡蒼球内節(黒質網様部でも同じ)の神経活動を亢進させる方向に作用し、
最終的に視床や大脳皮質の活動性を抑制することになります。

 

パーキンソン病では、淡蒼球内節や黒質網様部における神経活動の亢進により、
視床や大脳皮質に対する脱抑制が不十分になります。

 

結果、運動を円滑に行なうことができなくなり、
無動症状が起きると考えられています。