パーキンソン病の看護

パーキンソン病の治療

パーキンソン病の治療は、「薬物療法」、「外科的治療」、
「リハビリテーション」などがあります。

薬物療法

黒質変性の進行に対する根治的な利用はありません。

 

ドパミンの補充、ドパミン受容体の活性化、アセチルコリン系の抑制、
ドパミン放出促進、ドパミン分解抑制等の作用がある薬剤を使用し、
症状の改善を図ります。

 

・ドパミン前駆体補充薬

 

L-dopa/L-dopa-DCI配合剤(ドパストン、ドパゾール、ドパール、マドパー)

 

ドパミンを補充し、脳内に移行するL-dopaを増やします。
無動・筋固縮・振戦に効果があり、パーキンソン病に対して最も有効です。

 

ドパミン前駆体補充薬の主な副作用は、
悪心、嘔吐、食欲低下などの消化器症状、
動悸、起立性低血圧、幻覚、妄想、興奮、
Wearing off 現象、悪性症候群などです。

 

・ドパミン受容体刺激薬

 

麦角(ばっかく): 

 

プロモクリプチンメシル酸塩、ベルゴリドメキシル酸塩
(パーロデル、パルキゾン、ペルマックス)

 

非麦角:

 

タリペキソール塩酸塩(ドミン)、プラミペキソール塩酸塩水和物(ピ・シフロール)

 

ドパミン受容体刺激薬は、線条体のドパミン受容体を刺激し、
働きを活性化します。

 

L-dopa長期使用による運動合併症が起こりにくい。

 

40歳未満の若年性パーキンソニズムの患者さんには、
第一選択薬として用いられます。

 

ドパミン受容体刺激薬の主な副作用は、
悪心、嘔吐、食欲低下などの消化器症状、浮腫、幻覚などがあります。

 

また、麦角アゴニストでは、心臓弁膜症、
非麦角アゴニストでは、突発性睡眠や極度の傾眠が生じることがあります。

 

・MAO-B阻害薬(MAO-B:monoamine oxidase B:モノアミン酸化酵素B)

 

セレギリン塩酸塩(エフピー)

 

MAO-B阻害薬は、ドパミンを分解するMAO-Bを阻害し、
脳内でのドパミン放出を促し、濃度を上げる働きがあります。

 

使用は、L-dopaと併用します。

 

MAO-B阻害薬の副作用としては、幻覚、せん妄、ジスキネシアなどがあります。

 

・COMT阻害薬
(COMT:catechol-O-methyltransferase:カテコール-O-メチルトランスウェラーゼ)

 

エンタカボン(コムタン)

 

COMTを阻害し、L-dopaの脳内への移行を増やし、
効果持続時間を延長します。

 

wearing off現象の軽快化に有効です。

 

COMT阻害薬の副作用としては、
ジスキネジア、悪心、排便障害などがあります。

 

・ドバミン放出促進薬

 

アマンタジン塩酸塩(シンメトレル)

 

ドパミンの放出を促進し、再取り込みの抑制、
ジスキネジア改善の効果があります。

 

ドバミン放出促進薬の副作用としては、
幻覚やせん妄、網状皮斑などがあります。

 

・抗コリン薬

 

トリヘキシフェニジル塩酸塩(アーテン、セドリーナ)

 

相対的に過剰になったアセチルコリンの作用を抑え、
バランスを調整する働きがあります。

 

固縮や振戦に効果があります。

 

抗コリン薬の副作用としては、口渇、便秘、排尿困難、せん妄、
記憶障害、実行機能障害を惹起することがあるので、
高齢者への投与に注意します。

 

・ノルアドレナリン補充薬

 

ドロキシドパ(ドプス)

 

体内で直接L-ノルアドレナリンとなり、神経の機能を改善します。

 

すくみ現象に有効です。

 

ノルアドレナリン補充薬の副作用としては、
血圧上昇、頭痛、動悸、食欲不振、悪心、まれに幻覚や妄想など
普段と違う精神症状が現れます。

 

 

*L-dopaの副作用

 

長期服用に伴うもの

 

・wearing off現象

 

L-dopaの薬効時間が2〜3時間に短縮し、
血中濃度が低下し効果が切れると、
パーキンソン病症状の悪化が見られることがあります(日内変動)。

 

ジスキネジアが生じることもあります。

 

・on off現象

 

L-dopaの服用時間や血中濃度に関係なく、
急激に症状がよくなったり悪くなったりします。

 

中断・感染などによるもの

 

・悪性症候群

 

高熱(ときに40℃を超えます)、意識障害、昏迷(こんめい)、
自律神経症状(発汗、流涎、頻脈など)、錐体外路症状(振戦・筋固縮など)、
横紋筋の融解によるミオグロピン尿などがあります。

 

ドパミン過剰によるもの

 

・消化器症状

 

悪心、嘔吐、食欲不振など

 

・不随意運動

 

舞踏運動、口部ジスキネジア、四肢のジスキネジア、全身性のジストニアなどがあります。
症状の出方は、患者さんそれぞれによって違います。

 

・精神症状

 

幻覚やせん妄など。

 

・循環器障害

 

動悸、不整脈、起立性低血圧などがあります。

 

 ◎ジスキネジアとは
  ジスキネジアとは、口や舌をもぐもぐ、くちゃくちゃさせるような
 ゆっくりとした不随意運動のことです。

外科的治療

外科的治療は、L-dopaの反応性が良好な患者さんに対し、
薬物療法が十分に行なわれている、
これ以上の薬剤の増量が難しい、
Hoehn&Yahr分類V度以上である、
重篤な認知症や精神症状、全身疾患がないという場合に適応になります。

 

・破壊術 

 

視床腹中間核破壊術、淡蒼球内節破壊術、視床下核破壊術

 

・脳深部刺激療法 

 

視床腹中間核刺激術、淡蒼球内節刺激術、視床下核刺激術

リハビリテーション

パーキンソン病のリハビリテーションは、
その患者さんの持てる力、残っている能力を最大限に活用し、
可能な限り維持し、改善し、
環境因子における阻害因子を取除くように務めます。

 

また、さまざまな二次的障害を予防し、
QOL(quality of life:生活の質、生命の質)の維持や向上を目指していきます。

 

・理学療法

 

リラクゼーション、関節可動域訓練、
重心移動・バランス訓練、歩行訓練、呼吸訓練

 

・作業療法

 

上肢の巧緻性(こうちせい)訓練、上肢の関節可動域訓練、
ADL(activeities of daily living:日常生活動作)訓練、
器具の活用などの生活環境調整

 

・言語療法

 

横隔膜呼吸訓練、顔面・口・舌の運動、発声・発語訓練、嚥下訓練

その他

心理的サポート、患者さんと家族のカウンセリング、認知機能評価など

 

 

パーキンソン病は、このような治療を行っていきます。

 

病気の進行によって、ふるえやこわばりなどの症状が現れます。

 

症状の緩和のためには、日常生活の心がけが大切です。